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2012/01/21 16:58  わたしを離さないで

最近また書いてなかったなー
卒論終わってからは本当にぐーたらで
資格の勉強しなきゃしなきゃと思いつつ全然進んでない
なんでこのタイミングでゲーム買ってしまったのか…
そしてゲームに飽きたと思ったら
今度は本を読みふけったり…

ということで、読書記録

『神の子供たちはみな踊る』 村上春樹
短編集なのかなこれは。
阪神大震災直後というところでは全て繋がっているけど。
中でも好きだったのは「蜂蜜パイ」かなぁ
村上春樹は独特の設定とか世界観が特徴的で
それに登場人物がどのように関わって引きずり込まれていくかみたいなのが多い気がするけど
この短編集では人間を中心にストーリーがまわっていて 、すっと読めた。
あ、かえるくんなんかはザ・村上ワールドかw
阪神大震災というキーポイントを用いた作品だったので
なんとなく1月17日までには読もうと思っていたのだけど
そうもいかなかった…w
少し前に、文芸誌での震災コラムみたいなのを読んだときも思ったけど
あんな大きな災害と被災者の大きな悲しみはもちろん存在していて、
でも、その周辺のやりきれなさとか迷いとかぼんやりとした不安とかそちらに目を向ける、フォローする
そういった見方もあるんだよな、と。
大袈裟じゃない、身近で得体のしれない不安に着眼する分析者の視点に
感心、でもないし、安心、でもないし、共感、でもないし、
大切だよなぁ、じゃないし…うまく言えないけど
そういう所に寄り添って表現された文学にたまらなく自分にとっての必要性を感じた
文学は万能じゃないけど、こうやって、うまく言い表せない心地よさとか感情とかを持たせてくれることがある。
大学生協の読書リレーのキャンペーンに載ってたメッセージで(辻村深月だか恩田陸だか忘れたけど)
読書は、生きていく上で必ず必要なものではないけれど、
本を読むことであなたの人生は確実に奥深いものになります
みたいなのことが書かれていて
本当にその通りだなぁと思った。

うおーかなり脱線したw


『さよなら、愛しい人』 レイモンド・チャンドラー
村上春樹の新訳で。
また?って感じだけど、それだから手に取ったってのもある。
チャンドラー、マーロウシリーズは前に『ロング・グッドバイ』を読んだっきりかな。
読んでいて、村上春樹って本当にこのシリーズが好きなんだなぁと思わされる。
ハードボイルドとは、まさにこれ。
人物の描写や風景の描写がすごい細かいから
読んでいて、嫌な人物には本当に嫌悪感を覚えるし(まだそれを楽しめるほどまでには至っていない)
汚い場所のシーンでは思わず鼻の息をとめたり肩を縮みこませたりしてしまう。
マーロウの得意のひねくれたジョークには半分呆れていたりしてw
でも、最後のあのやりとりには痺れた
ただ、私は『ロング・グッドバイ』の方が好きだな
というのは、そちらにはテリー・レノックスがいるから。
テリーみたいな魅力的な登場人物がいればもっと楽しめたかなぁ
村上春樹の小説では女性はとても魅力的に描かれるけど
チャンドラーの小説では男性が魅力的に描かれていて、正反対だ!と気づいたりして。

やっと、『私を離さないで』の映画版を見た。 


原作と繋がっている、原作のあの空気感を忠実に再現されていた

映画では語られないシーンも、映画の中で繋がっているように思える

後半は、映画がすごいというよりは原作の良さ、カズオイシグロすごいわ、と思わせられた

ルーシー先生が告白するシーンの緊張感はイマイチだったけど

3人が大人になってからはすごかった

キーラ・ナイトレイ演じるルース が想像以上に生々しかった

キャシーへの嫉妬のあのすごみとか

それなのになぜか仲が良いところとか

提供後の弱ってる姿を見るだけでも泣けたし 

何より、トミーとキャシーに謝るところ、

あの表情、後悔とやりきれなさと恥とプライドの高さと抑制とがまじりあった顔。

トミーのあの落ち着きのなさ、大人になりきれてない感じも

キャシーのあの落ち着きというか自分を主張しないけど自我を持ってる感じとかも

役者の表情がすごすぎて圧巻 。

(ただ、トミーに関してはやりすぎかな?とも思った。小説でもあそこまでだったかな…)
 

最後、校長先生が言うセリフが印象的だった。
―あの作品たちは、魂を探り出すためのものではなく

あなたたちに魂があることを証明するもの だった―


この原作の良さのひとつに

最後、あらためて読者にタイトルの意味を考えさせるという点があるけど

それを映画でも見事に実現させていて素晴らしかった 

わたしを離さないで

わたしとは何か

生きる意味とは何か

愛とは何か

それを、この世に残せたのか

この世から、私の意味を、離さないで

私たちの愛を、つなぎとめていて

私たちが生きた証を、離さないで


本当に心に残る作品だった。
原作も、映画も、どちらも。
どちらから知ってもこの感動は味わえると思う
そういう意味で映画化は大成功だったのだと思う




こういう風な本の感想や映画の感想を真剣に語り合える人がいたらどんなに楽しいかなと思う
なかなか趣味の合う人がいない…

でも、こういった感動や深い感情移入は
自分だけの特別なものにしたいっていう欲求も一方ではある。
もちろん誰かと共有したいとも思うのだけど
それは
自分だけの特別な価値観と混じり合わせるその恍惚感を共有したいという欲求なのではないかなぁと思った
そこらへんの矛盾と妥協や距離感を操作するのが
文化の発信側と受け取り側の間に存在する別のメディア。
そう、それはまさに私の卒論のテーマです。
今になっていろいろ書きたしたくなってきてる。ううう。

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